May 09, 2010

データ復旧されて良かったです

東日本大震災での重要な個人データが失われてしまいましたが、見事にデータの復旧ですね。本当に良かったと思っています。もちろん、すべてのデータの復旧が可能かどうかまでは分からないが、重要な情報であるため、回復、再思います。それにしても、年金問題の時もそうだったが、紙資源が非常に重要であることを改めて知ることになりました。
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自然科学研究機構(NINS)分子科学研究所(IMS)平本グループの嘉治寿彦助教らと米国ロチェスター大学のタン教授らの研究グループは、有機薄膜太陽電池に光を照射することで得られる電流を向上できる新たな手法を開発したことを発表した。同成果は、独出版社Wiley-VCHが発行する先端材料科学の専門誌「Advanced Materials」(オンライン版)に掲載された。

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有機薄膜太陽電池は太陽光のエネルギーを電力へと変換するための低価格な技術として期待され、世界中で研究開発が進められている。 現在、研究の主流は様々な有機半導体のドナー性(p型)材料とアクセプター性(n型)材料とでできた混合膜である、バルクへテロジャンクション構造(p-i-n接合のi中間層)の最適化と、新規有機半導体の合成とに向けられている。

混合膜の最適化では、混合した各材料の混ざり方と結晶性とをどこまで制御できるかが最重要課題となる。最近の高効率の有機薄膜太陽電池のほとんどは、ポリチオフェンとフラーレン誘導体との組み合わせのように、共役高分子をドナーとして、低分子をアクセプターとした混合膜をバルクへテロ構造として利用しているが、これらの高分子型有機薄膜太陽電池は、溶液塗布法によって作製され、通常、溶媒を適切に選択し、塗布製膜後の環境を精密に制御することで高効率を達成している。

その一方、携帯電話のディスプレーなどに用いられている有機ELの生産では、低分子型有機半導体を用いた多層膜を真空蒸着法によって作製することが主流だ。同法は多層膜の形成や膜厚の精密制御などの点で優れているが、有機薄膜太陽電池の混合膜を作製する場合には、真空中で成膜するために溶媒と同様の効果がないため、溶液塗布法と比べて最適化できる作製条件が限られ、混合膜の形態や結晶性の制御が困難であり、従来の真空蒸着法で作製された低分子型有機半導体の混合膜の大半は、十分に結晶化できずに電気伝導度が低く、膜厚を100nm以下に抑えて用いられてきた。

今回、研究グループでは、低分子型有機半導体のドナー:アクセプター混合膜を結晶化する、新たな手法を開発。同手法は真空蒸着法を改良したもので、従来の真空蒸着法よりも高品質な膜形態や結晶性を持つ低分子型有機半導体薄膜を作製することが可能となる。また、同手法を用いて混合膜を結晶化することで、太陽電池性能を向上できることも様々な低分子型有機半導体を実際に用いて確認したという。

同法の具体的な方法は、従来同様、ドナー分子とアクセプター分子の2種類の低分子型有機半導体を透明電極基板の上に同時に真空蒸着して混合膜を作製する際に、さらに同時に、透明電極基板に付着しないような液体分子を蒸発させる。この時、液体分子が有機半導体分子に衝突することで、有機半導体分子が凝縮して混合膜を形成する前に基板表面を動き回りやすくなり、その結果、従来よりも確実に混合膜が結晶化されるものと考えられるという。様々な有機半導体を用いて、通常よりも厚い混合膜(約400nm)を作製して有機薄膜太陽電池に用いたところ、従来の真空蒸着法で作製した同じ厚さの混合膜と比べて、特に、光電流が3倍〜3000倍に向上し、太陽電池性能の向上に例外なく成功したという。

今回用いられた材料は、メタルフリーフタロシアニン(H2Pc、ドナー性)とフラーレン(C60、アクセプター性)のような代表的な低分子型有機半導体ばかりで、これらの分子の真空蒸着中に同時に蒸発させる液体としては、室温では真空中で液体として安定に扱える、アルキルジフェニルエーテル(ADE)やシリコーンオイルのような高沸点の液体の中でも特に、真空中で加熱して蒸発させることができ、かつ、同時に透明電極基板を適度に加熱することによって基板に付着しないようにできる液体が選ばれた。

また、今回の手法で作製した混合膜を分析した結果、H2PcとC60との混合膜において、走査電子顕微鏡法を用いた観察では、従来法で作製した場合の不規則な粒状構造の膜形態から、上下に伸びた柱状構造への変化が観察されたほか、結晶性が改善されたことも紫外可視吸収分光法とX回折法によって確認したという。

今回の新手法で作製した混合膜を用いて向上した有機薄膜太陽電池の光電流の値は、例えば、約400nmのH2Pc:C60混合膜を用いた有機薄膜太陽電池では、100mW cm-2の疑似太陽光の照射下で光電流を測定したところ、短絡電流密度が、従来の真空蒸着法で作製した場合の2.2mA cm-2から、10.6mA cm-2へと4.8倍に向上した。また、H2Pc以外のドナーに変更した場合も、鉛フタロシアニンでは1.5mA cm-2→4.9mA cm-2(3300倍)、ルブレンで22μA cm-2→0.90mA cm-2(41倍)、塩化アルミフタロシアニンでは0.88mA cm-2→3.0mA cm-2(3.4倍)と光電流の向上に例外なく成功している。

これらの結果より、同手法を用いることで結晶性の良い混合膜を作製することができるようになり、より多くの光を吸収できる厚い混合膜を用いて、より高い光電流を生成する低分子型有機薄膜太陽電池を実現することができるようになると研究グループでは説明しているが、今回の研究では、まだ電池構成の最適化を行っていないため、得られた光電変換効率は最大で2.5%に過ぎず、今後、同手法を用いた太陽電池構成の最適化や精密化・汎用化を展開させていくことで、光電変換効率を10%超まで向上させることを目指すとしている。また、有機トランジスタなど、他の高性能な有機半導体素子の作製への応用にも期待できるとしている。

[マイコミジャーナル]


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